■クリムト、エゴン・シーレとウィーン黄金時代

■監督:ミシェル.マリー,スタフ&キャスト:ロレンツィオ.リケルミー,リリー.コール,日本語ナレーション:柄本佑
■(イタリア,2018年作品)
■副題の「エゴン・シーレとウィーン黄金時代」に焦点を当てた作品にみえます。 グスタフ・クリムトは背景として居るのですが、そこにはもう一人の人物ジークムント・フロイトも見え隠れしている。 インタビューに精神科医も登場します。 つまり精神医学界からクリムトやシーレ、ウィーン芸術を眺めるようなドキュメンタリー映画になっている。
そしてもう一つ、女性解放からみた当時のウィーンを語っているのも特長です。 これは監督の意向かもしれない。 クリムトもシーレも枠に収まらない女性観を持って行動していたからでしょう。 批評家ジェーン・カリアのシーレの革命的意味を語っている場面が面白い。 これにハプスブルク帝国の崩壊を絡めウィーン黄金時代<エロスとタナトス>を感じさせる作品に仕立て上げている。
今年春に開催された二つの美術展に併せて観ていたら深みが増したはずです。 それでも面白く観ることができました。 美術展広告「ウィーン世紀末の全貌をまだ、あなたは知らない」はこの映画の文章にしても似合いそうです。
*「クリムト展」特別タイアップ企画作品
*クリムト,シーレ没後100年記念作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/91084