■イケムラケイコ、うつりゆくもの

■東京国立近代美術館、2011.8.23-10.23
http://www.momat.go.jp/Honkan/Leiko_Ikemura/sideb/
■絵画より彫刻が面白い。 最初の作品「きつねヘッド」がイケムラ世界への入り口である。 横たわる人物像の多くは頭が無かったり欠けている。 自身の手を目や口に突っ込んでいる像が少しばかり衝撃的だ。 そして会場出口の「白い眠り」で終わる。
作者の身体感覚の有り様をそのまま作品に投影しているようである。 血管や皮膚の存在をおもう静かな日常生活の延長にある。 生活と芸術が分離していない時代からやってきたような匂いもする。 だから作品は芸術としては弱い。
この中で「うさぎの柱」は唯一日常を昇華していて違った面白さがあった。 これは作者のトーテムポールだ。 ところで会場にはキャプションが1枚も無い。 無いと作品がベールを剥ぎとったようにみえる。 題名の言葉は観る者をがんじがらめにするらしい。