■ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン ■創造の現場、映画と写真による芸術家の記録 ■読書する女性たち

■アーティゾン美術館,2023.9.9-11.19
■最初の作品「汝、経験に依りて過つ」でサンサシオンの洗礼を受けました。 30度に傾いた室内に入ると立っていられない。 室が動いている!? 最後まで家具にしがみついていました。 いざ、あっち側へ! 「・・サンサシオン」は山口晃展です。 それも解説が全て漫画風になっている。 面白く読み進められる。 先ずはセザンヌの謎に迫ります。 もちろん漫画風ですが内容は凄い。 絵に興味がある人なら<セザンヌの謎>は通過儀礼でしょう。 ここでは筆の動かし方や視線のこと色のことなどを展開していく。 流石に画家の見方は深く鋭い。 次は雪舟にいきます。 しかし「四季山水図」はガラスで反射していてよくみえない。 さて、白一面に塗られた室内に入り・・、白壁を凝視していると、出た出た飛蚊症が。 これは眼中の蚊を眼底で見ているらしい。 ガンテイとは!? そして日本橋と高速道路やオリンピック関連など面白い漫画が続いていく。 その間をぬって画家の作品がある。 なかなか刺激的でした。 じっくり読み返したいので展示カタログを購入しようとしたら大きい。 鞄に入らない。 諦めました。 帰宅してWEBを見たらオンラインショップがある。 早速購入しました。
次展の4階へ・・。 アーティゾン美術館で映画を撮っていたとは初耳です。 とは言っても画家のドキュメンタリー映画ですが。 1951年から64年まで61人の画家を撮っている。 もちろん白黒だが前田青邨の「石橋」はカラーでした。 画家が製作しているところは見ものです。 筆遣いなどが分かる。 でもアトリエとしての自宅の和室は綺麗すぎる。 撮影のため晴着姿にしたのでしょうか? 映像の間に作品を観て回る会場でした。 映写前には椅子が二つで最初から見る気はないという想定ですね。 映像展示方法は見直してもらいたい。 WEBで条件付きで観られるようにする、などにです。
「読書する女性たち」もついでに寄る。 「読書という画題は男性に属する・・」。 しかし男性が読書する絵などは記憶にない。 みな女性です。 それも明治・大正時代の西洋で学んだ日本人画家に多い。 会場もこれに沿っている。 画中の読書空間は独特な雰囲気があります。