■永遠の都ローマ展 ■荒木珠奈展、うえののそこから「はじまり、はじまり」

■東京都美術館,2023.7.22-12.10
■「ローマ展」作品の多くがカピトリーノ美術館所蔵です。 私の記録では昔に一度ここを訪れている。 しかし記憶が無い。 地味だったということですか? でも中庭の模様は素晴らしい。 ローマの航空写真のなかではピカイチです。 「ミケランジェロによる広場構想」として今回も一章を割いている。
会場に入ると「カピトリーノの牝狼」(複製)が置いてある。 たしか教科書にも載っていたはず。 じっくり眺めました。 狼にしては表情や体形に鋭さが無い。 やはり子供を育てているからでしょう。 目玉は「カピトリーノのヴィーナス」です。 この作品も写真で何回かみている。 悪くはないが、じっくりみると・・、いやとても良い。 四章は絵画コレクションだが、知っている画家は少ない。 会場はやはり地味ですね。 硬さのあるローマ帝国史をおさらいしているようです。 彫刻が多いので余計に硬かった。
近頃はイタリアにはご無沙汰しています。 またイタリアに行きたいですね。 でも今日の展示会はそのきっかけにはなりません。
ということで「ローマ展」横で開催している「荒木珠奈展」もみることにしました。 初めて聞く作家です。 メキシコに留学したようです。 骸骨があるある・・、「メキシコ万歳」ですね。 しかし銅板版画が得意のようです。 会場入口の作品は学生らしさが抜けないが、途中に展示されていた版画はなかなかです。
紙・木・土を使った作品も多い。 その成果として、地下会場に上野の風景が広がっている。 とは言っても、真っ黒い大きなカボチャの骸骨ような彫刻が置いてあるだけですが。 その周囲に破片らしい彫刻も落ちています。 20世紀の上野には暗い顔がある。 戦争引揚者と闇市、東北の終着駅、アメ横やパチンコ村の繁華街・・。 作品はこれを表現しているがきわめて抽象的です。 「岩倉使節団」がカピトリーノを訪ねてから150年、上野は戦後80年です。 上野の闇はもはや抽象的にならざるをえない。