■モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展

■構成:前田尚武,作家:ブルーノ.タウト,井上房一郎,アントニン&ノエミ.レーモンド,剣持勇,ジョージ.ナカシマ,イサム.ノグチ
■パナソニック汐留美術館,2020.1.11-3.22
■6人の作家が時代に揉まれながら日本で出会い、暮らし風土に根差した家具や工芸品を造り、戦後に再会する流れで構成されているの。 6人(組)とはブルーノ・タウト、井上房一郎、アントニン&ノエミ・レーモンド、剣持勇、ジョージ・ナカシマ、イサム・ノグチよ。
6人の関係を要約すると・・、亡命来日のタウトを支援した井上、師弟のタウトと剣持、同じくレーモンドとナカシマで略すっきりする。 戦後になり、タウトとレーモンドは井上が銀座に出店した家具工芸店「ミラテス」で繋がるの、既にタウトは亡くなっているけどね。 インテリアに興味を持ったノグチは来日してレーモンドと知己になる。 分かった? うん!
ところで戦前の民芸運動との繋がりは論じていない(見落とした?)。 モダンデザインとは切り口がズレているし・・、中心に居た井上がパリ留学経験もある企業人として建築家タウトを受け入れ建築からみた家具を意識したからだと思う。
それにしても解説が多い会場だわ。 最初から読んでいく展示になっている。 でも細部まで巧くまとまっていた。 学者同士の関係の著書は多いけど、このように建築デザイン作家の結び付きから物語を展開していく美術展も面白い。 その関係の深浅は目の前にある作品を見るしかないけどね。
ところで一つ質問があるの。 タウトの「旧日向別邸」(1936年作)の応接や居間に幅のある階段が造られている。 主人と客の親密さを演出すると解説にあったけどタウト本人はどう位置付けていたのか理解できなかった。 むしろ上下関係が強くならないかしら?
*館サイト、https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200111/