■ラファエル前派の軌跡展

■監修:クリストファー.ニューオル
■三菱一号館美術館,2019.3.14-6.9
■中身の濃い展示会だった。 それは1章「ターナとラスキン」2章「ラファエロ前派」で彼らに堪能し、次の3章「ラファエロ前派周辺」で咀嚼し直し、4章「バーン=ジョーンズ」で前へ進みながらも振り返る。 行ったり来たりするから濃くなったのね。
まずはターナーに心から挨拶した後にラスキンの作品をまとめてみる流れなの。 彼の「緻密な観察」「主題への誠実さ」を実験しているのが分かる。 そしてミレイ、ロセッティ、ハント、ヒューズへ。 味わい深い色彩は英国の寂に通ずる色合いだと思う。 ロセッティ「クリスマス・キャロル」は気に入ったわよ。 ホルマン・ハントの2枚もね。 小品の「・・ランスロット卿」「・・ガラハッド卿」等々はアーサー王からシェイクスピアを連想させてくれる。 ヒューズの「音楽会」「マドレーヌ」「ジェイムズ・リサート家」は微笑ましい。 時を忘れて眺めていたい。 ところでハントが3人もいて混乱してしまった。 精密画を描くヘンリー・ハントは前派では珍しい。 でもラスキンの原則に従っている。 ワッツ「オルペウスとエウリュディケー」はウーン・・、劇的だわ。 冥界に引き込まれていくエウリュデケーをこんなにも強く掴んで離さないオルペウスをみたのは初めてよ。 そしてバーン=ジョーンズで英国風のコクの在る寂で完成ね。 5章の「ウイリアム・モリスと装飾芸術」は悪くないけど前派の味わいを壊している一面もある。 ラファエル前派は観るほどに好きになっていくわね。 これは中毒かしら?
*ラスキン生誕200年記念
*館サイト、https://mimt.jp/ppr/
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