■深井隆展、7つの物語  ■深井隆展、在ることについて  ■刻まれた時間もの語る存在

■東京芸術大学大学美術館,2018.11.1-11
■高島屋日本橋店,2018.10.31-11.19
■東京芸術大学大学美術館,2018.11.1-11
(以上展示名順)
■深井隆芸大退任記念3展です。 木彫の可能性を追求してきた作品群が多く3階の「7つの物語」は見事です。 粗削りが残っている椅子に金色の翼、エジプシャンブルーに塗られた馬など一つの作品が複数からできていて空間に散らばっています。 小さな作品では大理石の金箔窓の家、動物のブロンズ像などなど・・。 翼をみるとキリスト教の天使を思い浮かべてしまいますね。 でも天使像のいない翼のため人間味が感じられない。 形而上学的にみえる。 静寂な空間にどことなく意味が漂います。
「在ることについて」が高島屋で開催されていることを知り日本橋へ向かいました。 ここでは小さな作品が並べられていて値札もついている。 1作品20万円代が多い。 販売状況をみるとモノタイプが比率的に売れていますね。 木彫だと購入に尻込みするのでしょう。 大理石作品でも土台が結構大きい。 モノタイプなら絵画のように扱えて設置や保管が容易だからです。
再び芸大美術館の話に戻ります。 「刻まれた時間もの語る存在」は芸大彫刻科の学生や出身作家の作品です。 ビデオ作品から物理学実験設備のような作品まである。 今流行りの言葉で言うと百花繚乱ですね。 「彫刻とは、木や石に永遠を刻もうとする行為・・」と深井は言っています。 現代彫刻は素材から湧き出てくる永遠と表面を流れる物語の永遠のせめぎあいにみえます。
■芸大コレクション展2018
■東京芸術大学大学美術館,2018.10.2-11
■ついでに寄りました。 知っている作品が多い。 会場入口の久保克彦「図案対象」(1942年)の5枚組が目立ちます。 柴田是真「千種之間天井綴織下図」の修復報告が会場を占めています。
*館サイト、https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2018/fukai/fukai_ja.htm
InternetMuseumサイト、https://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input[id]=92213