■ちのかたち、藤村龍至展 ー建築的思考のプロトタイプとその応用-

■TOTOギャラリー・間,2018.7.31-9.30
■会場に入ると机一杯に並べられた同じような建築物の紙模型を目にします。 「・・知識を素早く形にして、形から言葉を作り出し、それを知識にして、・・これを繰り返していく」。 このプロトタイプ技法はコンピュータ世界では以前から活用されていたが、これをモノの世界に適用すると人間五感に直接響くので特に建築には効果があるのかもしれない。
2階会場は紙模型を実現化した建物十数作品が映像で紹介されています。 チラシにもある「すばる保育園」(2018年)と「OM TERRAACE」(20717年)が気に入りました。 保育園は子供の身体に、テラスは大人の身体に、素早く適応、しかもユックリと馴染んでいく感じがします。
建築家藤村龍至は「個々の知識と形態の関係がブラックボックスのままである」と言っている。 建築を具現化するその直前のアヤフヤさをプロトタイプ技法で最小にしたいらしい。 この反復はとても人間的です。 言い換えるとヒトとモノを納得いくまで使うことになる。 これをどのように解決するかも課題でしょう。 会場一角に「深層学習による椅子のかたちを生成する試み」があったがパラドックスを抱えているようにもみえました。
*館サイト、https://jp.toto.com/gallerma/ex180731/index.htm