■吉田博展-山と水の風景-

■損保ジャパン日本興亜美術館,2017.7.8-8.27
■吉田博の版画は見たことがある。 でもこの展示会で初めて全体像を知ることができた。 米国旅行で成功したのは小山正太郎に弟子入りして切磋琢磨した結果だとおもうの。 それに湿度ある日本風景は東洋の神秘的な雰囲気を持っているから受けたんじゃないかしら?
ここで「三四郎」が登場するとは驚き! 「ヴェニスの運河」を美禰子や三四郎といっしょに観た気分がしたわ。 そして日本アルプスの山々はG・セガンティーニを連想してしまう。 作品に漂う空気の希薄さが同じだからよ。
関東大震災前後から木版画に入っていくけど米国での評判も加味しているのはさすが。 でも版画にのめり込むほど油絵は雑になってきているようね。 水彩画や油絵の自身の持ち味を全て版画に注ぎ込んだ為かもよ。 摺数も極端に多くなっていることで分かる。 ケンジントン宮殿執務室のダイアナ妃の写真も楽しい。 W・ターナーとは違った大気や光だから気分転換に効き目がありそうね。
それにしても米国や欧州、印度や中国での作品をみると旅の楽しさが出ている。 最初の旅行で自信が持てたのね。 太平洋画会の設立を含め彼の行動力に脱帽!
*館サイト、http://www.sjnk-museum.org/program/4778.html