■いま、ここにいる  ■ダヤニータ・シン  ■世界報道写真展2017

■東京都写真美術館
■いま、ここにいる,2017.5.13-7.9
■「平成をスクロールする」とありますが元号を使うのに違和感があります。 他年代との距離間が定まらないし世界から切り離されてしまうからです。 東日本大震災も2011年であり平成23年では世界や歴史と繋がらない。
「いま、ここにいる」は写真にピッタリの題名すね。 身近な風景では作者は多分こんな心情で撮ったのだろうと想像しながらみるのも楽しい。 対象の重さは夫々ですが時間をかけずに観ました。
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2772.html
■ダヤニータ・シン,インドの大きな家に美術館-,2017.5.20-7.17
■インドの裏側を表用にして撮っているのでとても見易い。 絞りを深めにしたモノクロのなかで登場人物は動作や感情が統一され一つの世界感が現れている。 作者はプロだと一目で分かります。
展示方法もなかなかです。 作品間を1cm位の木のフレームで囲っている。 この距離は絶妙です。 作品と作品の関係を観客が無理なく繋ぎ合わせることのできる距離です。 付かず離れずとでも言うのでしょうか。 作者はこれをミュージアムと呼んでいるようですが面白い発想です。
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2778.html
■世界報道写真展2017-変えられた運命-,2017.6.10-8.6
■大賞「ロシア大使暗殺」は映画の一場面のようで現実感が無い。 現場が美術館で且つ写真展の開催中だからでしょうか? それに比較して「パキスタン自爆テロ」で倒れている弁護士達は映画をも越えています。 全員が黒スーツとワイシャツ姿でドグドグと血が溢れ出ている姿には凍りつきます。
アフリカ難民がギリシャへ渡る途中に息絶えて赤い救命具を付けながら地中海を一人漂っていく姿をみて何故か「パピヨン」を思い出してしまった。 そしてメキシコへ移住した大韓帝国の子孫が着物姿で傘をさし港を眺めている後ろ姿をみて複雑な時代を思い起こしました。 移住した1905年は日露戦争終結、日韓条約締結の年です。
スポーツではゲイに寛容なラクビーチーム、生まれながらにして手足を持たない重量挙げ選手に目足が止まりました。 
会場半分を占めているアフリカや中東の戦場をみていると映画の場面のような感覚を持つことが多くなってしまった。 カメラマンもそのように撮っているのではないでしょうか? 毎年繰り返す光景なので慢性化してしまったようです。
*館サイト、https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2798.html