■草間彌生、わが永遠の魂

■新国立美術館,2017.2.22-5.22
■「わが永遠の魂」130点が展示してある大部屋は賑わっていて縁日での露店を見て回る楽しさがあるわね。 次の部屋からは年代順だけど初期も充実している。 「玉葱」(1948年)は玉葱で重力波が曲がっているようで面白い。 ニューヨーク時代(1960年代)は「集積」の到達点である赤と黒のネット・ペインティングの密度が素晴らしい。 それに続く家具を突起物が覆っている作品はモノとの異常関係を昇華して芸術域までに達している。 精神を病んでいた彼女にとって絵画は箱庭療法だとおもう。 前代のソフト・スカルプチュアや東京時代(1970年代)のブリコラージュはそれを特に感じる。 そして精神的安定に向かわせたのがコラボやタイアップで社会と関係したことかしら。 このころの作品はまさにプロを感じさせるわね。 途中に21世紀の章があったけど渾身の作にみえる。 そして会場順序が再び永遠の魂に戻るのは彼女の精神輪廻の流れそのものかもしれない。
*展示会サイト、http://kusama2017.jp/