■志村ふくみ、母衣への回帰  ■ぜんぶ1986年、世田谷美術館の開館とともに

■志村ふくみ,母衣への回帰
■世田谷美術館,2016.9.10-11.6
■なんとか最終日に間に合った。 この美術館は幹線から外れているので即思い立っても足が躊躇するの。 作品100点余りを見た後にどれが印象に残ったかというとやはり最新作かな。 会場入り口広間の12点は素敵ね。 「紅の花」「和歌紫」「刈安」あと「銀鼠」も。 無地だから色がよくみえる。 着心地までがわかるような想像力を与えてくれる。 自然染料の素晴らしさね。 次室では「若菜」「野分」「和歌紫」「勾欄」「道標」、三室では「花群星」が目にとまる。 継ぎ接ぎの「切継」も面白い。
「緑は生あるものの死せる像である」。 ルドルフ・シュタイナーの言葉に出会えてびっくり、でも作品をみれば二人は繋がっているのはわかる気がする。 アルスシムラもきっとシュタイナー教育から来ているのね(*1)。
*1、「ルドルフ・シュタイナ展,天使の国」(2014年)
*館サイト、http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/past.html
■ぜんぶ1986年,世田谷美術館の開館とともに
■世田谷美術館はちょうど30年前に開館したのね。 その1986年頃を振り返ってしまう内容だった。
横尾忠則の作品3点はどれもトゲトゲしさがある。 当時の横尾は尖がっていたのね。 また「路上観察学会」の写真は見た記憶があるけど何度みても面白さが湧き出てくる。 平嶋彰彦の写真は30年の歴史を感じる。 当美術館は内井昭蔵設計だけど建築資料を見ていたら2009年の建築展を思い出してしまった。 これは内井の建築思想が分かる楽しい企画展だった(*2)。
やはりバブル景気が影響していたのは確かね。 景気が良いと芸術家はヒネクレてしまう。 そうすると見応えのある作品が生まれるとういうことよ。
*2、「内井昭蔵の思想と建築,自然の秩序を建築に」(2009年12月) 
*館サイト、http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html