■ミレー展-愛しきものたちへのまなざし-

■府中市美術館,2014.9.10-10.23
■ポーリーヌを描いた2枚はいいですね。 「ポーリーヌ・V・オノの肖像」と「古い服を着たポーリーヌ・オノ」です。 これは岸田劉生の麗子像だと直感しました。 ミレーはポーリーヌをどれだけ愛していたかこれでわかります。
依頼人に受取拒否された「・・市長ポール=オノレ・ジャヴァン」は緊張感が出ています。 肖像画で飯を食っていることがよくわかります。 家族を描くのとは違いますね。
ミレーは農村や農民を描く画家で有名ですが油絵400点のうちこれに該当するのは100点強しかないそうです。 会場を眺めても題材は広範囲で、画風も何度か違ってきていますね。
この中で一番気に入ったのは「牛に草を食ませる女」です。 解説にもありましたが宗教的な何かを感じます。 1859年作ですから人生でも経済的に充実してきた時期に重なります。 やはり精神的にも前向になれたのでしょう。
ミレーの全体像がわかる展示会で府中までやって来た甲斐がありました。
*館サイト、http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/millet.html