■ユベール・ロベール-時間の庭-

■国立西洋美術館,2012.3.6-5.20
■若かった頃のイタリアが一杯詰まっている人生なのね、ロベールは。 歳をとってからイタリアを思い出す時、そこに彼の青春がピッタリと張り付いているから結局は彼は歳を取れないのよ。 だからいつまでもイタリアから戻った時のままなの。 
廃墟や洞窟が暗く重く迫ってくるのかと胸をドキドキさせて上野へ向かったけど明るさと軽さが思っていた以上ね。 それは茶色のサンギーヌの為よ。 ピラネージやサン=ノンのエッチングの黒とは逆だし、そして油絵も水彩画のような質感のある薄味だから。
時の市民生活も描かれていて今でいう近未来絵画にもみえてしまう。 出口近くの「アポロンの水浴の木立」は現実と空想がごちゃまぜね。 でも革命へ向かう時代に彼のアルカディアが当時の人々の共感を得たのもわかる気がする。