■異端の奇才、ビアズリー展

■作家:オーブリー・ビアズリー,ギュスターヴ・モロー,トゥールズ=ロートレック,チャールズ・リケッツ他
■三菱一号館美術館,2025.2.15-5.11
■ビアズリー200点以上をまとめた展示は過去に観たことが無い。 数枚ならあります。 彼の経歴も初めて知る。 結核を持ちながら作品に磨きをかけていく姿は何とも痛ましい。 しかも25歳で世を去るのは早過ぎます。
ビアズリーの作品は表と裏がある。 表は「サロメ」など挿絵の洗練された筆さばき、裏にある政治風刺画等々の荒々しいタッチの両面です。 彼の性格が垣間見える。 オスカー・ワイルドとの相性も良くなかったらしい。 ワイルドからみて彼は「日本的」だったのかもしれない。 なんと作品内にワイルドの顔を挿入するとは! ウィリアム・モリスから剽窃呼ばわりされても強気に出る。 才能に自信があったのでしょう。 母や姉そして支援者の力もみえる。 しかし「・・日中でも分厚いカーテンを閉めて蝋燭の光のもとで制作する」姿は異様です。 タイトルの「異端の奇才」に納得させられます。 そしてイギリス唯美主義にピタッと嵌まった。 「25歳、時代を駆け抜けた」に再び納得です。
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の協力で家具や食器まで展示されている。 ビアズリーの生きた時空が感じられました。