■中平卓馬、火・氾濫

■東京国立近代美術館,2024.2.6-4.7
■中平卓馬の写真が載っている雑誌をそのまま展示している! つまり1960・70年を会場へ一緒に連れてきたのだ!
雑誌「現代の眼」と寺山修司を通して彼が写真の道に入ったことを知った。 「現代の眼」は読み易い雑誌だった。 タイトルは「朝日ジャーナル」のようで、内容は「文芸春秋」を左翼化したようなものだった。
彼の写真は当初から雑誌向けだろう。 切り取り方は斬新だが世間・報道の匂いが強い。 いま見てもそう思う。
会場前半は「アサヒグラフ」「朝日ジャーナル」「アサヒカメラ」などアサヒ系がズラッと並ぶ。 それと「映画批評」も。 文章は読む気がしない。 写真だけ摘まみ食いをしていく。 後半の「4章 島々・街路」あたりからやっと写真展らしくなっていく。 壁に並んだ作品群はやはり迫力がある。
会場の終わりに八戸市での映像(2005年)を見たが彼は1970年頃の姿のままだった。 この時代はもはや凍結してしまったのかもしれない。