■増田彰久写真展、アジアの近代建築遺産

■横浜ユーラシア文化館,2017.1.28-4.9
■「フィーバー・ルーム」を観た帰り日本大通駅前の文化館に寄る。 展示は藤森照信、増田彰久などの30年にわたる建築調査・撮影の成果物である。
1840年アヘン戦争以降の租界に造られた中国南岸沿いの建築を主に展観できる。 イギリス等の上海租界、青島のドイツ租界、天津のフランス租界、そして満州国首都長春や瀋陽、ロシアから日本に租界譲渡された大連、鎮江のイギリス、ハルピンや旅順の帝政ロシア建築などである。
侵略国の建築家たちは威信を賭けて作り上げたことが分かる。 どれも西洋文明の歴史が凝縮されている。 ギリシャ、ルネサンス、バロック、アールヌーボ、天津のアールデコ、青島のユーゲンシュテール、コロニアル・・、日本なら天守閣・・。 当時の日本人建築家の留学先が米国というのも面白い。 そして現代中国は歴史を直視し残っている建物保存に力を入れているらしい。
実際に見た建物は少ない。 上海の和平飯店くらいだ。 このホテルは昔のことだが何回か泊まった記憶がある。 1階ホールで毎晩ジャズの生演奏をしていた。 建築写真40枚だけの展示だが背後にある近現代史の一端がハッキリと写し出されている。
*館サイト、http://www.eurasia.city.yokohama.jp/exhibition/index.html