■創造と神秘のサグラダ・ファミリア

■監督:S・ハウプト
■恵比寿ガーデンシネマ,2015.12.12-
■建築家アントニオ・ガウディが構想し今も建築中の教会サグラダ・ファミリアの映像と関係者インタビューでまとめた作品である。
建設途中のため何とも言えないが、内部は明るく滑らかにみえる。 あらゆる驚きを拭き取ってしまった感じだ。 コンクリートが原因らしい。 
建築家・彫刻家・現場監督そして教会関係者のインタビューは面白い。 特にガウディがモンセラート修道院の風景から着想を得た話しには納得。 あの岩山の形は教会に似ている。 工事中の建物内部に既に使用している教会が出来ているのも初めて知る。 そして土地問題や地下鉄工事などの難題も持ち上がっているらしい。
しかし過去と現在は語るが未来がまったく見えない。 「神は完成を急いでおられない」の言葉通りである。 対象が未完のドキュメンタリー作品では未来が語られないと何か物足りなくなる。 教会完成像やスケジュールに関しては一昨年開催の「ガウディX井上雄彦展」にも展示されていた。 このあたりを議論していたら深みのある映画になっていただろう。
*映画com、https://eiga.com/movie/81607/