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■新しい建築の当事者たち

■作家:井上岳,大西麻貴,桐圭佑,工藤浩平,隈祥平,小林広美,小俣裕亮,小室舞,金野千恵ほか ■TOTOギャラリー間,2025.7.24-10.19 ■大阪万博公式カタログを入手したにも関わらず未だ夢洲に行っていない。 この暑さと混雑情報に躊躇している。 <行力>が減衰している。 行力とは仏教用語ではなく、今はやりの移動力として使いたい。 当展は万博会場内の休息所・イベントステージ・トイレなどの小規模施設の作品展である。 会場は混み合っていた。 若者が多い。 まだ夏休みかな? 全20の個性ある作品の内訳は、トイレが8点、休息所4点、残りはステージ等である。 多くが資料と模型そして映像で紹介される。 また若き設計者たちが当事者となり万博の表裏を語り未来をみつめている。 作品を目の前にしていると夢洲へ行きたくなってきた。 <行力>が沸いてきたぞ! *美術館、 https://jp.toto.com/gallerma/ex250724/top/

■トランスフィジカル ■ルイジ・ギッリ、終わらない風景 ■ベドロ・コスタ、インナーヴィジョンズ

*以下の□3展を観る。 ■東京都写真美術館,2025.7.3-12.7 □トランスフィジカル ■作家:ウィリアム・クライン,シンディ・シャーマン,アンセル・アダムス,アンリ・カルティエ・ブレッソン他 ■タイトルのトランスは「対象が・・別の形態や位置へ移動してくプロセス」。 フィジカルは「物質的身体的に・・着目し表現する」とある。 ・・イメージが沸かない。 全5章は「撮ること描くこと」「ダンス」「カラーズ」「虚構と現実」「ヴィンテージと出会うとき」と散逸感は否めない。 近頃の当館の特長が現れている。 全体を強引に結びつけるのは疲れそうだ。 2章は盆踊りやダンスなどの舞踊、4章のシンディ・シャーマンやアーウィン・オラフから演劇に近づけたのが面白い。 また3章のカラーはデザートの位置づけで目が喜ぶ。 5章のヴィンテージの適用方法も感心した。 しかしバラバラ感は残った。 *総合開館30周年記念展 *美術館、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5071.html □ルイジ・ギッリ,終わらない風景 ■作家:ルイジ・ギッリ ■柔らかい光が質感を薄くしている。 どこか虚ろさも感じる。 副題にある「終わらない・・」時がゆっくり漂っている。 これが気に入る。 でも、もどかしい。 画家ジョルジョ・モランディのアトリエ風景が終章を飾っていた。 二人は似たもの同士だ。 2016年、東京ステーションギャラリーでのモランディ展示名も「終わりなき変奏」だった。 ・・! *総合開館30周年記念展 *美術館、 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5073.html □ベドロ・コスタ,インナーヴィジョンズ ■作家:ベドロ・コスタ ■記録をひっくり返したら出てきた。 2012年に原美術館「MU<無>-ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」展と「ヴァンダの部屋」「何も変えてはならない」を観ていた。 でも一つの欠片も記憶にない。 いやー、館内は暗過ぎる。 原美術館と同じだ。 映像断片を見つめているとベドロ・コスタが少しずつ甦ってきた。 しかし彼の全体像には届かない。 ふたたび映画を観るしかないか? 迷うところだが・・、優先順位は低い。 *総合開館30周年記念展 *美術...

■<感情・表徴・情念、ゴダールの「イメージの本」について>展

■プロデューサー:ファブリス・アラーニョ ■新宿・王城ビル,2025.7.4-8.31 ■王城ビルへ初めて入る。 窓はすべて閉じられている。 とても暗い。 壁と床しかない。 何も無い廃墟だ。 そこに何台ものモニタが「イメージの本」を断片的に映し出している。 関連する書籍が所々に置いてある。 さいごにJ=L・ゴダール自身が語る解説動画で締める。 床に散らばっていた本は、・・「愛について」(D・ルージュモン)、「フォーヴィスム」(画集)、「パレスチナ詩集」(M・ダルウィーシュ)、「フランシス・ベイコン」(画集)、「マネの生涯」(H・ペリュショ )、「マティス」、「ラ・トゥール」、「ドラクロア素描集」(画集)、「文化の擁護」(A・ジット他)、「西欧の誘惑」「侮蔑の時代」「希望」「東西美術論」「人間の条件」(A・マルロー)、「骰子一擲」(S・マラルメ)、「法の精神」(モンテスキュー)、「田舎司祭の日記」(G・ベルナノス)、「獣人」(E・ゾラ)、「パウル・クレー」(画集)、「波」「自分だけの部屋」(V・ウルフ)、「リルケ詩集」、「歴史とユートピア」「崩壊概論」「思想の黄昏」「オマージュの試み」「絶望のきわみで」「敗者の祈祷書」(E・M・シオラン)、「抵抗の美学」(P・ヴァイス)、「アンナ・カレーニナ」(L・トルストイ)・・。 マルローとシオランが多い。 「イメージの本」は2019年4月にシネスイッチ銀座で観ていた。 「映画史」の続編のような記憶があったが定かではない。 王城へ行く前に配信で再度観る。 前半は映像と音響が共鳴し刺激的だ。 引用作品の多くは懐かしさがある。 しかし「法の精神」でシラケてしまい、次のアメリカとアラブはリズムに乗れなかった。 それにしても、中身の薄い展示だった。 王城ビルを出たら太陽が眩しい。 40度はあるだろう。 暑くてゴダールのことが考えられない。 真昼の歌舞伎町から早く逃げたい。 *チラシ、 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000426086.pdf