■ブランクーシ、本質を象る ■清水多嘉示

■アーティゾン美術館,2024.3.30-7.7
*以下の□2展を観る.
□ブランクーシ,本質を象る
■作家:C・ブランクーシ,A・ロダン,F・ピカビア,A・モディリアーニ他
■「日本で初めてのブランクーシ展」とある。 ブランクーシの名前は知っていました。 作品も時々観ていた(気がする)。 でもブランクーシを<集めて展示>するのは大変らしい。
作品の多くは黄金色です。 洗練された抽象化にこの色がよく似合う。 怪物ジュエリーですね。 「プライド」(1905年)「苦しみ」(1907年)などは作品名を見てからナルホドと思える。 そのタイトルが無ければそう見えない。 「眠れるミューズ」(1910年)は分かる。 より抽象へ進むと想像したタイトルと略一致します。 「雄鶏」(1924年)が気に入りました。 具体と抽象が見事同期している。
ブランクーシは20世紀初頭美術の流れに沿い、かつ現代を見据えていた。 今では多くのブランクーシ風を見慣れてしまっている。 そのため素人がみると、こんなもんだろう、という感想が先に立ってしまうのです。
□石橋財団コレクション選,清水多嘉示
■作家:清水多嘉示,中村彜,A・マティス,P・セザンヌ他
■清水多嘉示(しみずたかし)は初めて聞く彫刻家・画家です。 彼は「洋画家中村彜(なかむらつね)を尊敬し絵画を学んだが、プールデルの作品に衝撃を受け彫刻に目覚めた」とある。 同時代人からの影響を強く受ける人と見ました。 中村彜、A・プールデルはもとよりA・マティス、P・セザンヌからもです。 セザンヌの影響を受けた作品には脳ミソが喜びました。 「すわる女」(1923年)はセザンヌ的感動が押し寄せてくる。 滞欧期の集大成「憩いの読書」も観応えがある。 この展示はプランクーシの付録だが大満足です。