■梅津庸一、エキシビション メーカー
■作家:梅津庸一,金子光晴+中林忠良,猪熊弦一郎,瀧口修造ほか ■ワタリウム美術館,2024.5.12-8.4 ■作家梅津庸一の挨拶文の一部を掲載します。 「おびただしい数の展覧会が開催され続けている。 ・・しかし、その多くの営みは既存のインフラの上で平準化されたコンテンツとして消費され忘れ去られていく」。 近頃はそう思うことがよくあります。 「ワタリウム美術館にはいつも制度化される以前のアートの気配が漂っている。 それは「未然のアート」と言い換えることもできるだろう」。 他館との違いにいつも感じます。 「昨今の「キュレーション」の流行により展覧会づくりの方法や落とし所はあらかじめ規定・拘束されるようになった」。 すでにここまで来ていますか? 「アーティストキュレータとして振る舞うのではなく「エキシビションメーカ」の精神に立ち返りたい」。 エキシビションメーカとは? 会場には当美術館で開催した展示会履歴が掲載されていました。 20世紀の当館を私は知りません。 今回は所蔵作品とゲスト作品を会場にばらまき梅津庸一作品を間に挟む構成らしい。 知っている作家は約40名中10名くらいしかいない。 いつもですが知らない作家が多いので楽しい。 そして会場が狭いので作品と親密になれる。 作品の呼吸や囁きまで感じられる。 エキシビションとしては、どうしようもなく最適な美術館です。 今回の展示を見て、エキシビションメーカとはキュレータ=企画者・管理者とは違いプレイングマネジャに近いように感じられる。 具体的には新人・新物・新事を発見・発掘しながら自身がそこに入っていき新しい関係を形造る・・。 *美術館website、 http://watarium.co.jp/jp/exhibition/202405/