■オラファー・エリアソン、 視覚と知覚

■監督:ヘンリク・ルンデ,ヤコブ・イェルゲンセン
■アップリンク,2017.8.5-(2009年作品)
■映画の中の「ニューヨークの滝」を見て唸ってしまった。 エリアソンの目の付け所の良さにである。 本物をニューヨークの風景の中でみることができたら色々感じ取ることができただろう。
彼はアイスランドに住んでいたらしい。 むき出しの自然との関係が彼の身体の奥深くまで染み込んだのが分かる。 「カラダを自然に差し出す」こともしている。 作品をみる時それが体感を通して微かに届くからである。 彼が言う「何かの正体」だとおもう。 クリストの梱包芸術とは対照的だ。
「ニューヨークの滝」はとても分かり易い。 彼の思考の柔軟性にも驚く。 アイスランド世界を通過した結果だろう。 ディレクタが「・・記者会見の席ではシンプルという言葉は使うな」と彼に忠告していたのが面白い。 これは17億円もかかるカネのことで言ったのだが。
彼の作品は作成過程で多くの協力者が必要である。 緩やかな組織体制にみえたが多分強力に支える何かが有るのだろう。 この何かは映画では語られなかった。 ところで開催中の横浜トリエンナーレにも出品している*1。 
*1、「ヨコハマトリエンナーレ2017(オラファー・エリアソン)」
*作品サイト、http://www.ficka.jp/olafur/