■遠い窓へ、日本の新進作家vol.22 ■作家の現在、これまでとこれから ■プリピクテ

*下記□の3展を観る.
■東京都写真美術館,2025.10.15-2026.1.25
□総合開館30周年記念「遠い窓へ,日本の新進作家vol.22」
■作家:寺田健人,スクリプアリウ落合安奈,甫木元空,岡ともみ,呉夏枝
■近年の写真表現は技術の発達によって加工の有無が判別し難くなっている。 鑑賞した新進作家5人の作品は、岡ともみと呉夏枝を除けば、日常風景を題材にしているものが多い。 作品に添えられたアクセントもいわゆる<修正>とは無縁のようにみえる。 SNSでは加工画像が跋扈しているが、彼らはその世界から距離を置こうとしているのかもしれない。 
しかし日常を主題とする写真は、しばしばテーマが見え難い。 そこで重要な役割を果たすのが作家の挨拶文などの物語、解説といった文章である。 この言葉と写真が結びついたとき、作品の意図が鮮明になり、腑に落ちた感覚が得られる。 日常風景は写真だけで勝負する時代が終わったのかもしれない。
□総合開館30周年記念「作家の現在,これまでとこれから」
■作家:石内都,志賀理江子,金村修,藤岡亜弥,川田喜久治
■中堅作家5人は新進作家5人とは違う。 テーマが個人から社会へ移行するからだろう。 広島被爆者の遺品、東日本大震災、都市風景、広島平和記念式典、歴史の傷跡などなど。 これらは解説等を読まなくても内容が<わかる>からである。 しかし、この<わかる>には捻りが入っている。 このため観客には想像力が必要になる。 観客も中堅にならなければいけないようだ。
□プリピクテ
■作家:新井卓,マリーナ・カネーヴェ,トム・フェヒト,バラージュ・ガールディ,ロベルト・ワルカヤ他
■国際写真賞プリピクテを見るのは当美術館で3度目だ。 この賞は世界規模の持続可能性(グローバル・サステナビリティ)に光を当てている。 今回のテーマは「Storm(嵐)」。 自然災害から公害や戦争までの範囲を12人の作家がカバーしている。 受賞には伝えなければいけないナラティブ(ストーリー)が必要条件らしい。
今日の3展は個人から日本、そして世界へと次第に対象を広げていく内容だった。 ところで、当展に似た「世界報道写真展」があったが現在は中止している。 残念である。